多層板反射透過係数(1D)シミュレーター RT1D Ver.1.0.0

1. インストール方法

  1. ファイル RT1D.zip をダウンロードして展開し、 フォルダRT1Dを適当な場所(例えばドキュメントの下)に置いてください。
  2. プログラムを実行するには RT1D.exe ファイルをダブルクリックしてください。
  3. 最初に実行する前にダウンロードしたファイルをウィルスチェックしてください。 また、最初に実行するときにWindowsが警告を出しますので許可する必要があります。
  4. プログラムの実行には .NET Framework 4.6 以上が必要です。

2. 計算機能

  1. 複数の平板から成る系に対する電磁波の反射係数と透過係数を計算します。
  2. 入射角特性と周波数特性を計算・表示することができます。
  3. 計算方法はF行列法(多層板分割法)です。 (EEM-RTM理論説明書の5章参考)

3. 使用方法

  1. 計算する平板の数だけ、左端をONにして、それぞれの電気定数(比誘電率(>0)、導電率(>=0)、比透磁率(>0)、導磁率(>=0))と厚さ(>=0)を入力します。
  2. [入射側]と[出射側]の電気定数を入力します。
  3. [入射角特性]の周波数、および[周波数特性]の開始周波数、終了周波数、入射角を入力して[計算]をクリックすると、[入射角特性]と[周波数特性]が計算されて表示されます。
  4. 平板の数は8枚までです。

4. 電気定数について

  1. 光学領域では比誘電率は屈折率の2乗です。
  2. 複素比誘電率の虚部εr"と導電率σの関係:εr" = σ / (ω * ε0) (ε0=8.854X10-12[F/m])
  3. 複素比透磁率の虚部μr"と導磁率σmの関係:μr" = σm / (ω * μ0) (μ0=4πX10-7[H/m])

5. 出力結果

  1. 図には4本の線が表示されます。それぞれS波とP波のの電力反射係数と電力透過係数です。色については左下の説明の通りです。
  2. S波は電気ベクトルが紙面に垂直な場合、P波は電気ベクトルが紙面に平行な場合です。
  3. 入射角=0度が垂直入射を意味します。
  4. -20dB,-40dBは電力比1/100,1/10000です。

6. 計算例

sampleフォルダに以下のサンプルデータがあります。 数字はファイル名に対応しています。

(1) 一枚の板
初期状態と同じ
比誘電率=2、厚さ=10mmの一枚の板。両側は空気です。
周波数特性の図では、入射角=0度のため偏波特性がなく、2つの線が重複します。

(2) 2媒質
平板を一つも指定しないとき、2媒質の計算(Fresnel公式)になります。
P波にはBrewster角(=atan(√εr)=atan(√3)=60度)が存在します。
なお、入射側と出射側の導電率が0の2媒質のときは周波数特性がありません。

(3) 全反射
2媒質で入射側の誘電率が高いときは全反射が発生します。
その角度はasin(1/√εr)=asin(1/√2)=45度です。

(4) 無反射板[1]
両端の誘電率が同じで、板の誘電率がそれより高く、 その厚さが媒質内波長の半分の整数倍であるとき、垂直入射の反射係数が0になります。
周波数3000MHzでの比誘電率4の媒質内波長の半分=25mmとなり、 上の図では垂直入射の反射係数が0となり、下の図ではその周波数の整数倍で反射係数が0となります。

(5) 無反射板[2](コーティング)
板の誘電率が両端の誘電率の積の平方根で、 その厚さが媒質内波長の1/4の奇数倍であるとき、垂直入射の反射係数が0になります。
周波数3000MHzでの媒質内波長の1/4=17.7mmとなり、 上の図では垂直入射の反射係数が0となり、下の図ではその周波数の奇数倍で反射係数が0となります。

(6) 金属板と無反射吸収板
金属板(完全導体)を設定するには導電率に適当に大きな値を与えてください。 このときは透過係数は0になります。
背後に金属板を置き、その前面に適当な損失(導電率)の一枚の板を置き、 その厚さを媒質内波長の1/4(=12.5mm)より少し大きくしたとき、垂直入射の反射係数がほぼ0になります。
透過係数0であるから、反射係数0ということはすべて吸収されて熱に変換されることを意味します。

(7) スケール則
前項において、誘電率を変えずに、厚さを1/10倍、導電率を10倍、周波数を10倍にすると同じ結果が得られます。
これは電磁界のMaxwell方程式のスケール則によります。

(8) フェライト電波吸収体
背後に金属板を置き、複素誘電率、複素透磁率、厚さを適当に設計した板を置くと電波吸収体になります。


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